最近ヨガにクラブに所属する子供たちが参加しています。
彼らのヨガを見ていると、その特徴がとても良くわかります。例えば下記の写真。
本人が照れているようなので六年生のK君とします。
ご覧の通りとてもきれいなポーズですね。前後に開く股関節の柔軟性、前方に出した左足で踏ん張る脚力、後ろに伸ばしている右足のバランス感覚、上半身を支える腹筋の強さ、見事です。前方への推進力に優れたK君の良いところを存分に発揮しています。
しかしそれが横向きのポーズになると・・・
ご覧の通り、もはやどんなポーズを取ろうとしているのかさえも分かりません。
そして次のポーズ。まずはインストラクターの先生の正解ポーズを見てみましょう。
このポーズをK君たちが行うとこんな感じになります。
足も上がってないし、背筋も伸びていないし、とても同じポーズとは思えませんね。
バランスポーズは筋力が少ない子供には難しいと言われています。六年生とは言えど大人ほどの筋力が無いのでまぁしょうがないかな、とも思えますが、しかし筋力があればキレイなポーズになるかと言ったらそれは明確に違います。バランスポーズにはもちろん筋力は重要ですが、何より大事なのは体を支えるポイントをつかむことです。筋力だけであれば大人でも体が細い女性はヨガなどできませんからね。
上記のポーズのポイントは踏ん張っている右側のお尻に力を入れて体を支えることです。腕を伸ばした際には腹筋に力を入れてバランスを取ります。
面白いのが1枚目の写真では見事なポーズを取っているK君ですが、2枚目と3枚目では同一人物とは思えないほどのポーズになってしまうところです。1枚目の写真のポーズはこちらがアドバイスをしなくても先生のポーズを見ただけですんなりとポーズを取ります。繰り返しになりますが、前方への推進力が優れている彼には力の入れどころとその加減、関節の調整などが無意識のうちに出来てしまうのでしょう。
しかし横向きのポーズやバランスポーズでは、その感覚があまり機能しません。思うにバランス感覚に優れているというは、バランスを崩した際に、必要な個所の筋力に適度な力を加えて、いち早く崩れたバランスを立て直す能力だと思うのです。例えばドリブルしている際に右側から激しくチャージされ、左側に自身の体が傾いてしまった際に、必要であれば左足を踏み込んで、その足の四頭筋(太もも)や中殿筋(お尻)に力を入れて下半身を立て直し、腹筋、腹斜筋または背筋など使って上半身を立て直す。この動作を一瞬のうちに正確に行える人がバランス感覚に優れていると言えるでしょう。
K君に話を戻しますが、上記それぞれの写真を見ると前後のバランス感覚には優れていますが、横方面などのバランス感覚はまだまだというのが現状です。しかしだからと言ってK君がダメということではありません。当面はヨガに参加するようですが、この期間にバランスを取るために体に力をどこにどれくらい入れれば大丈夫なのか?その感覚をつかんでほしいと思います。前後のバランス感覚のようにコツをつかめば大丈夫。
そう言えば「ヨガ友」で知られる日本代表の長友選手もトレーニングや日常生活にヨガを取り入れています。試合を観ると長友選手がバランスを崩してコロコロと転がっているシーンは記憶に無いですね。Jリーグに所属していた頃の彼もK君と同様に前方への推進力、前後のバランス感覚が優れた選手でした。それが今では360°全てにおいてのバランスに優れています。もしかしたらヨガの効果かもしれませんね。
たかがヨガですが、ポーズを見るだけでその人の特徴が良くわかります。K君もせっかくヨガに来ているのだから自身にとってプラスになる何かを手に入れてほしいです。ちなみに毎回参加しているしゆう先輩は、課題は多いですがしかしサッカーのプレーを見る限りとても効果が出ているように見えます。評価するのはまだ早いのでこのまま継続して、無理せず頑張ってくれれば良い成果が上げられると思います。
大人にとってはリラックスのため、子供たちにとってはトレーニングのヨガ。次回のヨガが待ち遠しいです。