最近は子供の事でお話しを伺う機会が増えてます。

・練習でがんばっているように見えない
・もっと激しくボールを奪いにいってほしい。
・本人は楽しいと言っているが、練習を見てると本気でやっているように見えない。

等々、まあいつも聞く内容です。

そして必ず聞かれる「うちの子はサッカーに向いてないのでしょうか?」このような子がサッカーに向いているか向いていないのかは、以前書いた記事を参考にしてもらいましょう。

【記事抜粋】

元気でハツラツとした子が良くて、物静かで気持ちを表情に出さない子が悪いという事ではないです。Jリーグの監督で松田監督という方がいらっしゃいますが、ある雑誌で自分自身の昔の事を以下のように語ってます。

「元々持っている性格の芯の部分は変わらない。でも消極的な性格は、裏を返せば慎重という長所でもある。一見、積極的な性格は良く映るけど、おっちょこちょいでもある。性格や気質は両面を持っているのだと理解するうちに自分自身に自信が持てるようになった。」

ご本人はおとなしい子供で、それがコンプレックスだったようです。練習や試合で頑張る事は大事ですが、その頑張り方は人それぞれ。頑張っているように見えない子でも、本人にしてみれば冷静に最大限の力を発揮しているかもしれません。また頑張っているように見える子でも、非効率で無駄に体力だけ使っている場合もあります。

どんな子でも良いところもあり、悪いところもあるという事です。しかしこの話しには続きがあって、大人しい子は普段からお母さんが事あるごとに色々と口を出してしまう傾向があります。

口うるさくならないような接し方

「明日の学校の支度は終わったのか?」「宿題はどうした?」「あれはやったの?」「いつまでテレビを観てるの?」等々。もちろんお母さんもいちいち言いたくないでしょうが、言わないとやらないし、良く言われる「一度失敗させてみればよい」というアドバイス通り失敗させても反省しない・・・など悩みは深そうです。

そこでもしご参考になればと思い下記の本を紹介します。子供たちのサッカーコーチの勉強として読んだ本ですがとても参考になりました。

この本に以下の文言が記載されています。

「子育てをするとき、私たち親が目指すべきは子どもの未来です。今の子どもがどうであるか以上に、子どもが成長した姿を目指して子育てしなければなりません。今、親がやっていることの延長線上に、本当の子どもの幸せがあるかどうかを、一度立ち止まって考える必要があります。」

大抵の教育本に書いてある内容で、そんな事は言われるまでもない!と思いますが、この本にはではどのように接すれば良いのかを具体的な事例がたくさん記載されています。例えば、

親の役割は「できる」子どもに対する援助です。「できない」子であれば、親は手を出してやってあげる必要がありますが、「できる」子であれば、本人がやるのを見守ればいいのです。 「できない」という無意識のメッセージを受けながら育つ子どもと、「できる」人としての扱いを受けて育った子どもの人生は大きく異なります。

「援助」という言葉を辞典で調べると、「HELP(ヘルプ)」と「SUPPORT(サポート)」という言葉が並んでいます。しかし実際には、この二つの言葉には天と地ほどの大きな違いがあります。

ヘルプは「できない」人のために、その人にかわってやってあげること。保護者がするのはヘルプです。一方サポートは、人を「できる」存在ととらえて、そばで見守り、よりよくなるために必要なときには手を貸すこと。サポートこそが、まさに親の仕事なのです。

小学校に入るころには、子どもは親から離れていることが多くなります。いつも親がそばで守ってあげることは不可能です。

上記を読むとヘルプとサポートがあり、サポートが大事という事がわかります。そしてどのようなヘルプが悪い事なのか下記のようにまとめてます。

親は、子どもに対してどんなヘルプをしがちでしょうか。
子どもがするべきことを逐一指示し、命令する (一緒にいると、ほとんど親がしゃべっている)
子どもの欲求を察し、無条件で何でも与える (子どもは求めなくても、物が手に入る)
子どもがどう感じるべきかを教える (子どもの痛みや悩みを受け入れず、説教する)
子どもは親の延長と考え、親が求めるとおりになるよう期待する (子どもがどうしたいかは聞かない。聞いても尊重しない)
子どもの問題をすべて親が解決する (子どもがするべきことを親がかわってやる)

これを読む限り、親の接し方次第で子供が自立する速度が変わるのがわかります。

このようにこの本では子供との接し方で悩んでいる方には、共感、参考になる記事が多くの具体的な手法と共に記載されています。いちいち細かい事を言いたくない親御さんは、一読してみる価値はあります。興味があれば。

またこの本は育成年代の指導者にも必須の内容です。育成年代の指導者に求めれらる資質の一つが「コーチング」であり、コーチングの目的は自分で問題解決させる事にあります。指導の現場で発する言葉、コミュニケーションの質を高めるためにもこの内容は把握しておくべきでしょう。

投稿者 松尾