決勝トーナメント準々決勝 クロアチア代表対ブラジル代表
夜中の12時キックオフですが、観はじめたら途中で寝ることなど不可能な試合でした。
両チームともまさに国の威信をかけたこれぞワールドカップという戦いで、クロアチア代表にもブラジル代表にも見どころがたくさんあって、どのテーマを扱うかだいぶ迷いましたが、私の好みを優先して以下の守備のテーマをピックアップします。
守備は相手をマークして、相手にパスが来た瞬間にインターセプトを狙うのが基本であり、これはパスが来てから対応する受動的な動作では間に合わないのですね。例えば相手ミッドフィールダーがボールを保持して、自分がマークする相手をチラッと見た時とか、相手ミッドフィールダーと自分がマークする相手をグランド上で直線で結んだ時に、線上に誰もおらずパスをするコースが空いた瞬間とか、こんな時に「パスが来る!」と感じて、その通りに自分がマークする相手にパスが来た瞬間に相手よりも速く動ければそのパスを奪うことができます。
もちろんパスを出す選手やマークをされている選手は、ディフェンダーに狙われているのが分かっていますから、ディフェンダーの裏をかいてパスをもらう動作を繰り返します。
ディフェンダーとフォワードはこんな感じでお互いに探り合っているのですね。
この試合でも、例えばクロアチア代表のセンターバックの選手は、ブラジル代表の左のフォワードのビニシウス選手がタッチラインのギリギリにポジションをとった時に、そのマークでクロアチア代表の右サイドバックの選手がビニシウス選手に近づくと、センターバックと右サイドバックの距離が空いてしまいます。
そんな時、クロアチア代表のセンターバックの選手は「そこをブラジル代表のミッドフィールダーはスルーパスを狙っているな?」と考えるわけです。
その瞬間に以下の事を考えます。
・パスを出すミッドフィールダーのパスの精度
・ビニシウス選手の技術力
・ビニシウス選手の足の速さ
・味方右サイドバックの技量
・他のブラジル代表選手のポジション
これらからスルーパスを出された後の得点を奪われる確率を瞬時に判断し、自分のアクションを決めます。スルーパスを阻止するポジションをとるのか、右サイドバックのカバーに入るか、中央が危険と判断し中央を守るか。
ちなみにこれでスルーパスが出なかったら次に危険なプレーは何なのか?ブラジル代表の次の狙いは何なのか?とすぐに思考を切り替えます。
こんな感じで試合中は頭が休まる暇がありませんし、この思考を止めてしまうと後手後手の対応となり、簡単に得点を許してしまいます。
攻撃する方も相手の守備陣が何を狙っているか?を考えます。サッカーは相手の行動を予測し続ける読み合いや駆け引きが常に行われているのです。
まぁどれほど行動を予測したところでそれを上回るスピードや技術を披露されたらどうしようもないのですが。エムバペ選手やこの試合のネイマール選手のゴールなどがそうですね。そういう選手がスーパースターになるのでしょう。
いや何が言いたいかというと、この試合ではネイマール、ビニシウス、リシャルソン、ロドリゴ選手などスーパースターだらけのブラジル代表を相手に、ブラジル代表の攻撃を予測し続けたクロアチア代表の主体的な守備は絶賛されるべきだし、最後まで保った集中力と体力は驚愕だと思うのです。
これこそまさに試合中に「考える」ことですし、監督からしょちゅう「もっと考えろ!」と叱咤されている西が丘の選手には、トップレベルの予測する守備を参考にしてもらい、自ら主体的に動いて、ディフェンダーなのに相手のフォワードをコントロールするくらいの卓越した選手になってもらいたいという事も言いたいのです。ふぅ。
それにしてもクロアチア代表の試合だけで様々なテーマで記事を書けそうです。気が向いたらまた書いてみます。
西が丘サッカークラブ(小学生チーム)については下記を参照ください。http://www.kids.nishigaoka.com
西が丘サッカークラブジュニアユースについては下記を参照ください。http://www.junioryouth.nishigaoka.com/index.html