本日の試合で今年度の六年生大会が終了しました。今日は学芸会や音楽会などの学校行事があり、ただでさえ少ない六年生が一段と少なくなってしまいました。しかし聞いたところによると相手チームも似たような状況らしく、条件が同じならばこの結果も納得するところ。試合は2-0の勝利ですが、もっと点が入っていてもおかしくなく4、5点くらいの差があったように思います。

ではこの試合、そしてこの大会で私たちが彼らに求めていたこと、取り組みなどをこの機会にご紹介します。

まず、私たちのクラブは小学生までであり、中学生チームの活動はしておりません(いつも中学生チームの立ち上げのリクエストはいただくのですが、様々な条件を克服する必要があって、、、)。したがって私たちは彼らが小学校を卒業してからも活躍できる土台を築く必要があり、その取り組みの一環でこの大会を利用しています。
例えば昨年所属していた高山君の例がわかりやすいのですが、彼はこのチームにいた時はセンターバックでプレーし、キャプテンを務めていました。彼の性格やプレーを考慮するとやはりセンターバックが適任でしたが、技術的、身体的なことを考えた時に、センターバックではもしかしたら強豪チームで生き残れない可能性も見えてました。そこでセンターバックは他の選手を配置し、高山君にはミッドフィールダーやサイドのポジションを任せ、プレーの多様性を持たせるように努めた次第です。もちろんチームにとってはマイナスですが、彼にとってはまた彼に頼っていた他の選手が成長する良い機会になったと思います。

そして今年のチームも同様に各自の今後を考えた上で、様々なポジションを経験させ色々と要求しています。今日で大会は終わりましたし、六年生は少ないので後期リーグに出場した選手だけでも簡単に記載してみましょう。

今日の試合はフォワードで出場したGKのとも君。キーパーとしての要求はこれまでも書いているので省きますが、その実力はとても良いものを持ってますし、これからの伸びしろがとても期待できる選手です。しかし残念ながら身長が足りなくてGKとして評価されない可能性があります(お父さんが大きい方なのでこれから伸びると思いますが)。しかし彼はフォワードとしてアイデア豊富で足元の技術にも優れているという長所がありますので、GKとして通用しなくてもフォワードで活躍できるようにたまにフォワードとして出場させました。フォワードで出場した試合では必ず得点してましたし、良い経験が出来たと思います。

この大会最初の試合はガチガチに緊張していたのはもう遠い昔。今は積極的かつ自主的にプレーできるようにしょうま君。彼はポジションはどこでもよく、それよりも上記の通り積極的、自主的という自主性と戦術的理解度の向上が課題でした。ボールが無いときのポジション、味方のカバーに焦点を当て、どのポジションでもその部分を要求し続け、今ではディフェンスでもサイドハーフでもその課題はある適度克服できたと思います。

後期リーグは怪我で途中離脱してしまったがく君。彼もしょうま君同様の課題を抱えており、しかし発展途上のまま戦線離脱。まずは怪我を治してまた課題に取り組みましょう。

このチームの柱となるぶーさん。守備はピカイチで迫力ある攻撃も魅力です。彼をセンターバックとして起用すればチームの失点は格段に少なくなるのはわかっているのですが、ミッドフィールダーで出場することもしばしば。彼の最大の長所は対人に強いことです。しかし課題はボールを奪ってからのプレーにあります。自陣でボールを奪った際にまず見なくてはいけないのは相手のゴールで、瞬時に得点までのプロセスを考え決断しなくてはいけないのですが、彼はそこの判断が遅いため効果的なプレーが出来ていません。ボールを奪ってひょいひょいとドリブルで進むプレーは、一見上手いように見えますが、目の前の事象に対応しているだけのこと。彼の能力であればもっと違う選択肢を持たなくていけなく、それが出来るようにミッドフィールダーでも起用しました。その評価で言えばまだ満足できるレベルではなく、これからも厳しいトレーニングが必要です。

フォワードやミッドフィールダーで出場したしょうご君。彼に求めることは単純で、度重なる怪我によるアジリティの低下を試合によって向上させる事でした。技術はあり、しかし積極性が足りなく見えるその原因はアジリティ不足と思われますので無理しない程度で試合に起用して、実戦で鍛えたのがこの大会です。試合に来れない日もあって残念な思いもありますが、身長が伸びるこれからはトレーニングを継続すればアジリティは改善されると思います。

とても不器用な(?)はるか姉さん。ドリブルの技術はとても高いレベルですし、最近は強烈なシュートを蹴れるようにもなりました。しかし奥手な性格からか全てにおいて対応が遅く後手後手となってしまいます。本人にも伝えていますが、もっとボールをもらう動きを改善しなくてはいけません。姉さんのポテンシャルが発揮できるポジションはサイドですが、必然的にボールが集まる中央でも数多くプレーさせた今大会。大きな進歩もありますが、多くの課題も残っています。卒業までのトレーニングで一つ一つ改善していければ。

指導者によって評価が分かれる選手がしゆう先輩。このチームではフォワードとして活躍しましたが、この先を考えるとフォワード以外のポジションも経験させておきたく。彼の長所として実はディフェンスにおける一対一の強さがあるのです。またボールを持った時の力強い推進力を考えると将来はサイドバックとして活躍するかもしれません。しかしサイドの選手としてはポジションの理解度が不足しており、トレーニングでも実戦でもあまり効果が見られませんでした。だからと言って終わりにするわけにはいかないので、ボール奪取能力とディフェンスの全般的な能力の向上を目的に、最後の二試合はセンターバックとして起用しました。とても活躍してましたし、本人も気に入っているようなので良かったです。なんとか選手としての幅を広げることができました。

色々と書きましたがこれは本人たちに常日頃から言っていることなので、本人たちがこのブログを読んだならば改めて意識して今後のトレーニングを活かせてもらえればと思います。

しかし大事な大会でこんな取り組みをしていたら結果を出せるわけはないですね。チームとして結果を出すならば同じメンバーで同じポジションを継続してやらせるのが一番効果的です。これは私たちのエゴかもしれませんが、小学生の大会で結果を出すよりも他に優先すべきことがあると考えています。その考えが彼らに伝わってくれたら嬉しいです。

投稿者 松尾