GRIT「やり抜く力」

 

IQが高い人よりも「やり抜く力」が高い人の方が進学率が良く、また卒業後も社会的に成功を収める確率が高いことがアメリカの研究で発表されました。才能が豊な人が成功するわけでもなく、それよりもやり抜く力が強い人ほど成功することが様々な実験で証明されています。

ではその「やり抜く力」とは何なのか?それはある物事に対し「情熱を持って」「粘り強く続ける」こと。様々な障害があっても、最初は乗り越えらなくても、乗り越えられる方法を考え尽くし何度も実行する能力は生まれ持った才能を凌駕し、才能が無いと言われた人であっても誰もが驚くような成果を出すことができるのです。

高校生で数学のセンスが無いと言われた子であっても、じっくり時間を掛けて毎日少しでも勉強を続ければ、成績の順位はいくらでも向上します。また世に偉人と言われる歴史の人物たちもIQは平凡で、それよりも一つの事に粘り強く取り組んだ結果が成果となったと言われています。

 

先日、五年生大会で敗退し今年の大会が全て終了しました。最後の試合は強豪チーム相手に真っ向勝負を挑みながら負けてしまいましたがとても素晴らしい内容だった思います。思えば彼らは数か月前までまともなキックも出来ず、ゴールキックはほとんど相手に渡り、パスをすればミスパスばかりで、ボールをきちんと止めることさえままならない状態でした。

それがこの試合では、果敢にドリブルで突破を図り、意図的なパスで相手を崩し、見事なスルーパスも随所に見られました。また守備においては一対一では抜群の強さを誇り、カバーリングや指示の声も的確に発されました。そしてキーパーの成長も見逃すことができません。ポジショニングが飛躍的に改善され、これまで毎試合見られたディフェンダーの裏のスペースを突かれた失点が無くなり、緊張感を保ち試合を引き締めることに大きく貢献しています。

先日の試合の失点の原因は「油断」と「遊びすぎ」の要素が強く、しかし小さな差であってもあのようなチームに勝つことは至難であることは承知していますが、それでもいつか勝てるのでは?と期待してしまうと共に、ここまでやれるようになったんだ!と感慨深くなります。

繰り返しますが、現在試合に出ている子は最初は本当にレベルが低かったです。他にも優れた子がいましたが、監督がピックアップしたのは今試合に出ている子たちです。監督とメンバー選出について色々と話していると彼がピックアップする子の特徴が見えてきます。

それは、

「常に向上心を持って全力で練習に取り組んでいること」

これが出来ている子であれば学年に関係なく試合に出場させています。実際に今の五年生もその意識がある子が残ってますし、これは四年生も同様です。逆にどれほど上手であっても上記の意識が低い子は伸び悩み、結局は試合に呼ばれなくなっています。

「常に向上心を持って全力で練習に取り組む」とはどういうことか?彼らの様子を観察していると、試合の勝敗に一喜一憂することなく、毎試合自分の課題を見つけ、練習で改善するサイクルを継続しておこなっています。普段の練習から課題を一つ一つ克服し、長所をじっくりと伸ばしている様子が伺えます。技術的、肉体的な才能が突出しているとは思えない彼らですが、このような姿勢が成長の鍵になっているのでしょう。

もちろん、他にも同様の意識を持って練習に励んでいる子があり、彼らが今後も試合に呼ばれる保証はありません。全ては彼らの意識と行動次第で決まります。

さて冒頭で記述したGRIT「やり抜く力」では、ジュニアの頃にどれだけ運動神経が良くても、継続して努力した選手に将来は抜かれてしまうことも実証されています。そして継続して努力することの重要性は先日の試合に出場したメンバーは証明しています。努力を続けることが才能よりも重要なこと、そう「継続は力なり」なのです。

投稿者 松尾