この間の南アフリカワールドカップで日本の守備の要として大活躍した中澤佑二選手ですが、幸いな事に私は彼のJリーグデビュー戦を観た事があり、その後も節目節目に彼のプレーを見てきました。
彼は練習生として東京ヴェルディに入団して、日本代表まで登りつめたという話は有名です。でも最初から上手かったわけではありませんでした。今でも覚えていますが、デビューして最初の数年はヘディングはとても強かったですが、それだけで精一杯という感じに見受けられました。1対1のディフェンスは弱く、カバーリングは雑、キックは下手。。。でも絶対に負けないという気持ちは強く、それを前面に出すファイターという選手でした。
その後当時のオリンピック代表監督のトルシエさんに見出され、シドニーオリンピック代表になりましたが、相変わらず足元の1対1は弱く、パスの精度も悪かったです。その時はこのままだとただのヘディングが強い選手で終わってしまうなと思ったものです。
しかしそれで終わらないのが彼の凄いところ。何かのインタビューで読みましたが、自分を客観的に見て苦手なプレーを普段からずっと練習していたとのこと。その成果は最近の彼のプレーをみれば一目瞭然です。この間のワールドカップでも彼が1対1で負けるところなどあまり無かったように思えますし、的確なカバーリングや正確なパスを出す姿には昔の面影は全くありません。そして、大会後にはFIFAから評価されていました。
全国大会など全く縁が無く、無名な選手が世界でも評価される選手に。そこには絶え間ない努力と挫けない精神力があったと思います。彼はエリートじゃなくても努力で一流になれる事を具現化してくれた貴重な選手。彼を通して子供達に夢や目標を持つことの素晴らしさ、諦めない事、持ち続ける事の強さを伝えたいですね。