先月のジュニアユースチームの合宿に続き、今月は小学生チームの合宿を行いました。
新型コロナウィルスの感染がピークの中、合宿を行っても良いのかと最後の最後まで悩みましたが、それでも合宿に行きたい!という子供たちの声があり、リスクを負ってでも実施する価値はあると判断した次第です。
考えてみれば昨年、一昨年と出来ませんでしたから3年振りとなるのですね。ちょっと感慨深いです。
さてその合宿ですが、3年振りだろうと内容の厳しさは変わりません。初日こそ暑さに慣れてない子が多く、練習の強度を落として私たちの合宿では初めての川遊びを行いましたが、2日目、3日目はとても厳しい内容にしています。
では写真で振返ってみましょう。
練習場所はこのように山に囲まれた中にある小学校の校庭です。
初日の川遊びの様子。
美しい自然の中、とても楽しそうですね!
考えてみればこの子たちは初めての合宿。「合宿って楽しいな!!」と思ったことでしょう。
「明日も川で遊べるかな?遊びたいな!!」と期待したかもしれません。
そう、この時はまだ明日からの恐怖を知る由も無かったのです…。
うなだれているりつ君、苦しそうなれん君、茫然としているかなた君、複雑な表情のそら君、一体何があったのでしょうか?
高学年だけではありません。中学年クラスの元気印こうだい、よひと君の顔からも笑顔が消えています。
それもそのはずこの日は練習試合で、その試合の相手には東京都選抜や地域トレセンの選手がゴロゴロといるチームで、とても強烈なチームが相手なのです。
このチームでは上手なそら君でも上の写真のように簡単に相手にボールを奪われてしまいます。しかもシャツを掴まれたり、腕を引っ張られたりと相手の激しいプレーに付いていけません。
4年生のたっくんも思いっきり引っ張られてますね。
れん君に至っては、左手一本で制されています。
3人でボールを奪いに行っても全くボールを奪えません。
普段は経験しない激しいプレーに、技術では歯が立たなく、体力や気迫でも後れをとっています。まさに全員がショックを受けている状況で、誰一人冷静に物事を判断することができません。
「もうやだこんなの、帰りたい…」と思ったかもしれません。
はい、これが西が丘サッカークラブの合宿です。とても強いチームと試合をして、一方的に追い込んでもらいます。普段は経験できない圧倒的な技術力と反則まがいのラフプレー、そして絶対に負けたくないという意思を持ったチームと対戦することで、強いチーム、凄いプレーというものを体感してもらいます。
しかし、最初はサンドバック状態になって何もできない彼らですが、徐々にですが対抗できるようになってきます。
きっかけはかいと君のゴールでしょうか。
偶発的なチャンスではありましたが、かいと君が見事なドリブルシュートを決めます。
良い笑顔!
フィジカルでは決して引けを取らないはやと君が徐々に目立ち始め、
同じくフィジカルに優れた、たかちゃんも躍動し始めます。
そして全員に戦う意思が見れるようになってきました。
何かに目覚め始めた瞬間です。
最初は相手のプレーに圧倒されっぱなしでしが、激しく体をぶつけてディフェンスができるようになり、相手の気迫にも負けないようになってきました。
メンタルが強くなり、身体が気持ちに引っ張られて動いている状態です。
泣きそうな顔だったりつ君も
彼らしいトリッキーなプレーが見られ、
彼のパスからはやと君のゴールを導きました。
れん君の鋭いドリブル突破も見られるようになりました。
もちろん実力差が激しいので、どれだけ頑張っても大量失点をしてしまいますが、それでも負けずにファイトする姿勢は素晴らしく。
このような強烈な刺激で急激に実力を伸ばすこともあり、それを期待してしまいます。
高学年クラスの成長は中学年クラスにも波及し、最初はパニックになっていた彼らでしたが、徐々に「負けたくない!」という意思が見られるようになりそれがプレーに表れてきました。
中学年クラスもこのように本当にゆっくりでしたが、スポーツ選手の顔になってきましたね。
こうだい君は相手に激しくディフェンスできるようになりましたし、
あつ君は相手の厳しいチャージを耐えて、前に進むプレーを見せることができました。
たっくんは得点の可能性を感じさせ、
よひと君は冷静なプレーを取り戻しています。
るうく君はゴールキーパーでもフィールドプレーヤーでも相手に怯むことなく、果敢に戦い、
しゅう君はとても技術力の高いプレーを見せました。
もちろん、
ながせ君だって負けてばかりではなく、
小さな体で奮闘していました!!
そしてこの合宿を象徴するシーンが、以下の写真です。
ドリブルで進むれん君。
しかし相手の激しいチャージに思いっきり地面に叩きつけられてしまいます。
なんとか立ち上がり、痛みに耐えますが
叩きつけられた痛さとショックからか、目から涙が流れます。
この間、私たち指導者は彼に対して何もしません(れん君のお母さん、ごめんなさい!!悪気があるわけじゃないのですよ!ほんとだったらすぐに抱きしめてあげたいのですが、心を鬼にしてガマンしてるのです!いやほんとに)。
普段は近くにいる誰かしらが手を貸すでしょう。しかし合宿は、このような機会こそ成長する場なのです(もちろん大きな怪我が無いことは確認済みですが)。誰の助けも無い中で自分で立ち上がり、戦う姿勢を貫くことがとても重要だと思うのです。
そして大人の心配をよそに、れん君はその後もしっかりと戦っていました!
一つ、成長したと思います。
とはいえ彼のことだから今頃は「来年は行きたくない…」と言ってるかもしれませんが(笑)
このように合宿の2日目は、とても厳しい中で過ごし、全員が少しづつ成長しているのを見れた日でした。
子供たちの成長が見れる我々は楽しいですが、子供たちは「早く帰りてぇー」と思っている事でしょう。
西が丘サッカークラブについては下記を参照ください。