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ロシアワールドカップが終わって

昨夜、約一ヶ月続いたロシアワールドカップが終了しました。終わってみればクロアチアの奮闘がありましたが、フランスの優勝、ベルギーの3位という結果は下馬評通りと言えるでしょう。ドイツ、スペインの予選リーグ敗退、世界一になれなかったメッシ、Cロナウド、ネイマール、様々なことがあり毎日を刺激的に過ごすことができました。
そしてこれからFIFA(国際サッカー連盟)や国際コーチ連盟が得点や失点の傾向、、戦術などについて各試合を徹底的に分析しコーチングレポートに反映され、今後四年間のトレンドが出来上がります。
私の印象ですが、大事なところでセットプレーがより有効になっており、セットプレーの得点の確立がこれまでの大会よりも多いように思います。また、これまで「ショートカウンター」と呼ばれる相手陣内でボールを奪い、攻めあがる相手の出鼻をくじくカウンター攻撃が主流でしたが、ベルギーが得意としたような自陣深くからのロングカウンターからの得点がとても印象的でした。これは優勝したフランスもエムバベ選手の個性を活かす形で何度もチャンスを作っていましたね。

この事から考えるに、今後はセットプレーで有利になる大型な選手が重宝され、ロングカウンターで自陣ゴール前から相手のゴール前まで全力スプリントができる能力がトレンドになりそうです。大きくて長い距離を全力で走れる選手・・・、世界のサッカーはアスリート能力が問われているいうのも良くわかります。

では日本がベスト8に進出するには、そして優勝するにはどうしたら良いのでしょうか?日本人がどれほど頑張っても欧米人のような大きく屈強な体にはなれません。しかしだからと言って勝てない事が無いのがサッカーの奥深いところ。今回準優勝でMVPとなったモドリッチは線が細く、足も速くありません。それでも抜群の技術と状況判断の良さで相手の急所を突くようなドリブルとパスでクロアチアを準優勝に導きました。また日本代表の奮闘は記憶も新しく、そのパスサッカーは相手に通用するどころか脅威になってさえいました。日本はこれからも攻守におけるハードワークをベースにドリブルやパスなどの技術を活かしたサッカーをするべきです。

そう、攻守におけるハードワーク・・・、これは何もとにかく走れ!と言っているわけではなく、攻撃においては自ら相手が嫌がるポジションを取り、積極的にリスクにチャレンジする姿勢、守備においては常に自分のマークする相手を視野に入れながら相手の攻撃パターンを予測し、危険なポジションをカバーし続ける、体も頭も休む暇なく動かし続けるプレー。これは刻一刻と変化するグランドの現象を、都度相手の先を読み、自分の責任を持って判断し実行する必要があります。自ら考え実行する、言われた事だけを忠実に実行する選手は残念ながら日本代表になることは非常に難しいと言わざるを得ません。

また技術的な観点では、今後トレンドになるであろうロングカウンターを実行するには、攻められていても冷静に味方と相手のポジションを把握し、ボールを奪った瞬間に相手の急所となりそうなポジションにいる味方に正確なパスを出す必要があります。今回の日本代表やクロアチアの試合でも、自陣深い場所で奪ったボールを相手のプレッシャーを受けながらも味方とのパス交換を繰り返して危険な状況を打破していました。このようなプレーは、いまだに少年サッカーの試合で見られる危険な時は大きくボールを蹴りだすプレー(クリアしろ!と言われるプレーですね)を続けているようでは、実現は無理でしょうね。もちろん失点をしないことが優先順位のトップに来るべきですし、味方ゴール前で無謀なドリブルなど論外ではありますが、せめてクリアするふりをしてキックフェイントで相手をかわして味方にパスをするくらいの賢いプレーがそこかしこで見られるようになってほしいものです。

日本代表が出場するワールドカップのような大会では、日本代表の技術や戦術、フィジカルレベルが世界の強豪チームとどのくらいの差があるのかわかる最高の機会です。そこで繰り広げられる戦いから、子供たちへの指導を考える責任が私たちにはあります。これまでは自分で考え判断し選択肢を増やすこと、基本的な技術とフィジカルレベルの向上を狙いを指導のKeyにしてきましたが、今のところ変更しなくて大丈夫そうです。今後も世界の情勢に敏感になり必要なことは積極的に指導に取り入れていきたいと思います。

最後に、それにしても夢のような一ヶ月でした。。。毎日レベルの高い試合をライブで見られる幸せは何物にも代えがたく。もう毎試合マッチレポートを書きたいくらいでした。次のワールドカップまでの個人的な目標はそれが実現できる生活環境を手にすることにしようかな。

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