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上のカテゴリーで練習させる基準について

西が丘サッカークラブでは年長から2年生を低学年クラス、3~4年生を中学年クラス、そして5~6年生を高学年クラスにカテゴリーを分けています。しかし中には2年生で中学年クラス、3年生や4年生で高学年クラスで練習をしている子がいます。
先日、他のチームのコーチから「上手い子が上のクラスで練習をする理屈はわかるのですが、その基準は何ですか?」と聞かれました。確かに「上手い子だから」という理由だけでは不親切ですね。技術的に優れている子でも同学年で練習をしている子はいますし、逆にそれほど技術的に上手くなくても上のカテゴリーで練習をしている子がいます。考えてみれば保護者の方にきちんと説明をしていなかったので、ここでその理由を記載してみましょう(もちろん、対象の方には後日きちんとご説明させていただきます)。

上のカテゴリーで練習させる基準はいくつかあり、まずは何と言ってもサッカーに対し真摯に取り組んでいるか?これが絶対の条件になります。残念ながら指導者がいくら厳しく言ってもふざけてしまう子はいますし、たった1時間の練習でも最後まで集中して行うことができない子が多いです。そのような中で周りに流されず、常に100%の力を出して練習する子は絶対に伸びますし、上手くなることにハングリーは子は指導していてすぐにわかります。そして指導に対する理解力はとても高いです。

また何かしら狙いをもって練習している子も見逃せません。練習を見ていると教えていること以上のことや、まだ教えていないことをやろうとする子が出てきます。「そこまで考えて練習しているんだ!」とこちらが驚く場面が数年に1回くらい出てきます。おそらくサッカーに対して真面目な子はその集中力ゆえに指導者の想像を超えていくのでしょう。

せっかくなので具体的な例で説明してみましょう。

まずは六年生チームのキャプテンのこうき君。彼は4年生から高学年クラスで練習し、六年生の試合にも出場していました。

彼は練習に対し、誰よりも真剣に取り組んでいましたし、指導者が言うことを一生懸命に実行しようとしていました。「愚直なまでに」という言葉がぴったりの彼の姿勢は、短期間に同い年の子たちを抜き去り、中学年クラスのカテゴリーでは収まり切れないほどに。技術的にはXXXでしたが、前方への推進力が優れ、その良さを伸ばそうという意図もあり上のカテゴリーにしました。

次は五年生から翼君を。

翼君はこうき君と同様の印象がありましたが、四年生の最初の頃はこうき君ほど身体能力に優れているわけではなく、また技術も満たないレベルにありました。この学年は他にも早くから上のカテゴリーで練習する子が多く、(最初の頃は)相対的に目立たなかったのもあります。
しかし練習をよくよく見てみると、出来ないながらも考えたパスを出し、一対一の練習では、はちきれんばかりの負けん気を放っていました。そこでちょっと早いかな?と思いましたが四年生の中頃から高学年クラスで練習させた次第です。それにしてもそこからの成長が早かったですね。まだまだ成長段階ではありますが、ほんとに良いタイミングで上のカテゴリーに移動できたと思います。

次に4年生、3年生、2年生・・・と書きたかったのですが、今、良いことを書くと調子に乗りそうなのでやめておきます。ま、すぐ調子に乗ってしまうところも彼らの長所なのですけどね。もう少し大きくなったら良いところも悪いところもいっぱい書いて差し上げましょう。

さてこうき君と翼君を例に出しましたが、振り返ってみると二人ともカテゴリーを変更した時はとても下手な部類に入ります。それでも彼らの上手くなりたいという気持ちの強さが、上のカテゴリーに順応する速さとなり、実力を一回りも二回りの向上させたと思います。

彼らよりも技術的に優れた子は何人もいました。それでもその子に向上心が無ければ、真摯に向き合っていなければ上のカテゴリーには上げません。また技術や向上心があっても体格的に危険と判断した場合も残念ながら上げることはできません。

改めてこうやって思い返してみると、上手い子は最初から上手いわけではなく、それほど上手くなくてもその子の向上心や努力次第で実力は変わってきたのがわかります。書いていて思い付きましたが、「サッカーが上手くなる子」の定義は「サッカーに対し真摯に取り組める子」となるのでしょう。

さて次に上のカテゴリーで練習するのは誰でしょうか?

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