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高学年クラスの合宿 彼らに求めること

Facebookにもたくさんアップしましたが、高学年クラスの合宿を実施しました。今回は五年生と六年生併せて25名の参加です。

合宿を行うチームは多く、またその内容も様々です。バーベキューをやったり観光したり、サッカー以外の活動をするところもあるようです。また期間も二泊三日、大会に参加すると三泊四日や四泊五日などこちらもチームによって様々です。

西が丘はというと、毎年バーベキューや観光などのレクリエーションは一切取り入れず、地元のチームとの練習試合を休む間もないようにスケジュールします。期間も一泊二日で初日の午前から夕方まで、二日目も午前から帰る時間ぎりぎりまで練習試合や練習を実施します。どのような合宿でも良いところと悪いところがあると思いますが、ダラダラとやることを好まない当クラブのスタッフは、短期集中でとにかくサッカーだけに集中できる環境を作り上げます。

さて前置きが長くなりましたが今回の合宿では主に個人のレベルアップに主眼を置いて指導しました。なお、25名が一つのコートで順番に試合をしていたら空き時間が長くなってしまうので、六年生大会に出ているメンバーをAチーム、他の五、六年生や五年生大会に出ているメンバーをBチームと便宜上わけて二チームで二コートを活用して空き時間があまり無いように活動しました。

本ブログでは各チームの様子と成果などを考察してみたいと思います。

まずはBチーム。こちらは普段の練習日もバラバラでサッカーに対する想いもそれぞれ。またまだまだ精神的な甘さが抜けていないのも特徴です。このチームに求めるのはサッカーの技術的なことよりも団結、協調などチームスポーツの主たる目的の理解であったり、逞しい気持ちなど精神的なことになります。もちろんサッカーの技術の向上は目指しますが、サッカーを通じて精神的な自立を叶えてもらいたいというこちらの想いがあります。

結論から書くとこのBチームの活動は予想以上の手ごたえを感じています。練習試合では一回も勝てませんでしたが、どの試合も最後まで諦めることなく挑戦し、誰かに責任をなすりつけることも無く、どうしたら勝てるか?を自分たちで何度も話し合う光景は感動さえ覚えます。今回もたくさん写真を撮りましたが、後から見返したらBチームメンバーの顔の写真が多かったです。思うに、これまであまり見たことない彼らの引き締まった顔に私自身が引き込まれたのでしょう。

がく君、ゆうき君、良い顔だ。

普段はふざけた顔しか見たこと無いしょうま君も真面目な顔。

ムードメーカーでイケメンのるい君。責任感がとても強いです。

スピードスターとみんなに言われるりゅう君。今回はみんなに頼られることが多く、「俺がやる!」という強い気持ちが見え、逞しくなった気がします。

昨年から精神的に一番成長したのは赤いサポーターを巻いている、るいちゃんかもしれません。試合中の言葉やミーティングでの発言はこんなことを言うようになったかと驚きました。

自分の気持ちは目で語るタイプのゆうき君。「こんな強い相手と試合を組みやがって(怒)」という強い思いをレンズ越しに感じました。

どんな相手、シチュエーションでも物怖じしないスギちゃん。最近は私のボケに鋭いツッコミができるようになりました。

その他にもたくさん紹介したいことがありますが、長くなりますのでこの辺りで。繰り返しますがBチームのメンバーは全員がチームのために団結し、自分の持っているチカラを出し切って最後まで集中して取り組んだことをお伝えしておきます。

さて次はAチーム。このチームは春からこれまで自分たちよりフィジカルが劣る相手とばかり試合を行ってきましたので(大会の組合せ上、しょうがないのですが)、ここでガツンと叩かれる必要があります。芽生えた自信が最近は過信に変わってきた彼らに対して、自分たちの実力を思い知らせなくてはいけません。Aチームのメインの相手は中学生。フィジカル的に全く敵わない相手に期待通りボロボロにされました。

この体格差

うちの選手が小さく見えます。

相手の中では小さい選手でもやはり大きく。

そしてこの身長差

チームの中では大きなつばさ君も小さく見えます。

もちろん負けているのは身長だけではありません。スピード、体力、技術のどれを取っても適う相手ではなく。そしてこの試合ではこれまではあまり目立たなかった小さいなミスが浮き彫りになります。そしてそれが今回の合宿の狙いなのです。

これまでは相手に恵まれたことにより、些細な(技術的、戦術的)ミスが失点に結び付くことがありませんでした。そして表面的にはわかりづらいこの問題は、言葉で指摘しても彼らに響くことが無く、しかしこの小さな問題が彼らの成長を阻害している大きな要因でもあるので、何かしら早急な対処を必要としていたのです。

そのためAチームの試合はビデオカメラに収め、夜のミーティングで各自のポジションミス、技術的なミス、戦術ミスを指摘してどのようなプレーをすれば良いのかを徹底的に指導しました。失点をするのは何かしら問題があります。失点したシーンだけ見ればディフェンダーが相手のボールを奪えなかったことが原因に見えますが、その(ディフェンダーが不利になる)状況を作った原因の発端はフォワードの選手のポジションミスだったりします。また単純なトラップミスでも、トラップの技術を向上しようではなく、ミスする原因(走りこむタイミング、体の向き、ボールをコントロールする位置など)を映像で解説します。映像で全体を俯瞰的に見せることにより、ミスの原因を客観的な視点で捉えることができ、より深く理解することができます。

サッカーは細かな技術の積み重ねです。その細かい部分を意識して向上させないと成長に限界が出てきてしまいます。合宿の夜はそれを改善する良い機会なのです。

また何試合も行う合宿は、日頃から各自に指摘している課題の対処具合を見る良い機会でもあります。例えば、下記の写真ですが(こういう例はいつも彼になる気がします。彼はわかりやすいのでどうしても・・・ごめんね)、

写真の彼には、中盤でボールを奪い、自らゴールを決めるスケールの大きいプレーを要求しています。写真のシーンは期待通り中盤で相手からボールを奪い、自らゴールに向かうプレー。

相手ゴール前まで到達し、シュートを伺うシーン。彼の目線からゴールの位置がわかると思います。この後のプレーは右足でシュートをしようとしてしまい、その分時間が掛かって相手に詰められて残念ながらシュートができませんでした。

さて写真が素晴らしく(?)、とても良いシーンに見えますが、彼には左足の課題も指摘しています。もし彼がその指摘を素直に受け取り、愚直に左足を練習していたならばこの後は左足でシュートをしているはずです。それが出来なかったのは左足を練習していない証拠、もしくは練習が足りていないという事です。今回は練習試合ですがこれが大事な試合や、もしかしたらどこかの強豪チームのスカウトが観に来ている試合であれば、たった一回しかない貴重なチャンスを自ら逃したことになります。特に彼のような一目見めて誰にでもわかる長所を持っていない選手は、全てのプレーの平均値を向上させる必要があり、それができなければ三流、四流の選手で終わってしまいます。

例えば左利きのゆうが君には右足も練習しなさいとは言いません。それはゆうが君は左足でプレーすることを前提に全ての行動をしているからです。いつか彼のプレーを観る機会があればじっくりと見てほしいのですが、彼の場合はトラップしてパスする場合もドリブルからパスやシュートする場合、いずれも自分の得意な左足でプレーできる場所にボールを運びます。ですのでゆうが君への指摘は、左足でドリブル、パス、シュートができる事前準備の意識であり、それを叶える技術の向上になります。

もしこうき君が左足を諦め、右足だけでプレーすると決めたならば写真のように左足でシュートをしようとするドリブル自体がもう間違いなのです。どのようなシチュエーションでも右足でシュートできるようにドリブルしなくてはいけません。

課題を与えるのは、各自の成長を促すだけでなく成長を客観的に評価できる物差しになります。こうき君だけでなく他の子にも当然ながら課題を指摘していますが、成長ぶりはどうでしょう?上記のゆうが君だけでなく、ぶな君やゆうき君のように課題が明確に改善され驚くほど成長している様子がこの合宿で見れた子もいますし、しかし残念ながら成長の様子が見えない子がいたのも事実です。私たちは彼らに成長する道を示すことはできますが、その道を歩くかは本人次第。その道を歩かないと君は成長しないよ、と伝えてもその行動は本人次第です。いくら合宿をしたといっても、結局は日頃から意識を高く保たないと成長できません。今回の合宿が彼らに何かしらを与えるきっかけになれば。。。

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