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アジアカップ 日本代表対ベトナム代表

ロシアワールドカップから若返った日本代表。久しぶりに見る代表の試合ですが強くなりましたねぇ。様々な感想がニュースに溢れており、賛否両論がありますが私はとても評価したいです。
吉田、長友、酒井、柴崎選手のベテラン、中堅組みは100%の力を出していないのではないでしょうか?結果こそ1対0のギリギリの勝利ですが、おそらく開始10分くらいでこの試合は1点取れれば勝てるという確信を得たはずです。そして後半に堂安選手のPKでゴールを決めた後は無理せずに勝ち切った印象があります。いくら相手にシュートをされても、ミスでピンチに陥っても失点する気配は全く感じず、まさに横綱相撲という完勝ではないでしょうか。

ロシアワールドカップで見た彼らの試合は、長友、酒井選手は何度もオーバーラップを繰り返し、柴崎、吉田選手はここぞのシーンで相手のゴール前に飛び込み攻撃の厚みを持たせていました。それがこの試合ではそのようなシーンは全く見れず、長丁場に向けて体力の温存をしていたように思われます。これこそが経験の為さる技ですね。

経験を具体的に説明するのは難しいですが、ディフェンダーであれば対峙する相手との力関係を瞬時に読み取り、ボールを奪う間合いやタックルに飛び込むタイミング、スピード、力加減を的確に判断する能力です。また1対1のシーンだけでなく、他の相手の動向も把握して危険になりそうなシチュエーションを何通りか予測して事後ではなく事前に対応することもできるようになります。
例えば左サイドから攻められている時に、センターバックの選手は、相手の左サイドの選手と味方の選手の力関係を判断して、味方がドリブルで抜かれるならばどの方向に抜かれるか、また相手が近くの選手とパス交換で突破を図る可能性も探り、どのコースにパスが出されるのかを想定してどちらにも対応できるポジションに移動します。
それだけでなく、相手のセンターフォワードがエースであれば、そのセンターフォワードにボールが来てなくても最終的にはそのセンターフォワードにパスを来ることを想定し、自らマークをするか近くの味方にマークをさせるのかを左サイドから攻められている最中に判断して行動します。

このようにサイドから攻められているという一つのシーンだけを切り取っても、その瞬間に考えなくてはいけないことが山ほどあり、その中から的確な行動を選択する必要があります。「経験」とは考えなくてはいけないシチュエーションの数、想定されるアクションの数が多く、的確な行動を選ぶその正解率が高いことを言うのでしょう。

いくら年齢を重ねてもそれが出来なければ経験が少なく、また若くても一つ一つのシーンを丁寧に重ねてきた選手は経験が豊かになります。そう、年齢ではないのです。

経験豊かな日本代表の面々。次は強豪イランですね。ここからが本当の死闘になりそうです。力の限り戦って子供たちの見本となる試合にしてほしいですね。

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