本日の全日本選手権予選で今年度の6年生の大会が全て終了しました。

リハウスリーグからこの大会、散々な結果に終わってしまいました。まぁ、主力選手が続々と抜けてしまったので結果が出ないのは分かっていましたが、ここまで内容が悪く修正できない試合が続くとは思っていませんでした。

今年度の彼らの行動とこの結果は、少し奇妙に感じています。

今日の試合でもそうですが、まず何てことないプレーをミスして失点し、立ち直ることなく続けて失点してしまいます。この何てことないプレーのミスがどの試合でも誰かしら必ず発生して、予測不可能な失点を繰り返してしまうのです。

また試合中に同じミスを繰り返すのはしょうがないとしても、それをどれほど指摘しても改善する姿勢が無いのは、例えばパスミスばかり繰り返す選手にそれを指摘すると、練習に早く来てパスの練習を自主的に行う行動が見られるのはこれまでの6年生がそうでしたし、今の5年生もそうです。

特に大量失点して大敗した後などは練習から目の色が変わり、必死に取り組むものでしたが、早く来て練習すると改善できるとどれほど促しても、そのような姿勢は結局最後まで見れませんでした。

もしかしたらですが、試合前に過度に緊張する姿を見ると、試合中のことや自分がどのようなプレーをしたのかなどは全く覚えていないのかもしれません。どのようなプレーが成功して、どのようなプレーが失敗したのか?それがわかっていなければ指導者からどのような指摘をされたとしても全く理解できないのは当たり前。

過度な緊張、メンタルが不安定な状態で試合に臨むので圧迫感により視野が狭くなり、目の前の事だけに必死になってしまう、過呼吸などにも陥っているかもしれず、そんな状況では自分が今、置かれている状況などは全く理解できないでしょう。試合中は常にモヤが掛かったような感じで夢の中で試合をしているのかもしれません。なので試合が終わった後は勝負の結果よりも緊張からの解放感が勝り、試合が終わったことの安堵感に包まれるだけになるのです。

そこにはやり切った満足感だけが残り、反省点はありません。それゆえに指導者からのアドバイスは聞こえていても血となり肉になることは無く、ただ試合が終わったという事実があるだけです。

きっと試合後にご家庭で「今日の試合はどうだった?」と聞いても、そこに悔しさはなくきっと「相手が強かったよ!」と普段の口調で答えるでしょう。

私たちも手を変え品を変え、各自は当然、シチュエーションによる口調も変えて指導をしましたが残念ながら何も変えることはできませんでした。これは自分たちの実力不足を痛感しています。

ただ6年生のこの奇妙な現象は精神的なものであり、それはコロナによる影響のように思われます。考えてみたら、精神的に一番不安定になる5、6年生の時にコロナによる社会変動がありました。自宅待機期間やテレビを点けるとネガティブなニュースが多く、その負の影響を思いっきり受けてしまっているのかもしれません。東日本大震災の時もネガティブなTV番組で多くの子供が情緒不安定になっています。

このチームの6年生は繊細で内向的な性格の子が多いです。普段の練習では楽しくやっていますが、緊張状態に置かれるとメンタルが一気に不安定になって上記のようになってしまうと考えられます。

後悔していることがあります。もっと早く気付いていれば目標設定を違うところに置きました。いや、そもそも大会にエントリーしたことが間違いでした。今の彼らにはみんなで集まって楽しく練習をすることが安心につながりメンタルを安定させます。必要なのは勝負することでは無く、ひと時でも世の中の暗く嫌なことを忘れさせる環境だったのです。

これは嫌味でも言い訳でもなく、悩みに悩み真面目に考えた結論です。そしてそうなると、大会にエントリーしたことや良いと思って厳しく接してしまったことを大変申し訳なく思うのです。子供たちの心境の機微を感じ取れない自分のセンスの無さに言葉も無く、逃げ出したい感情は文字にできません。

とにかく私たちに出来ることは卒業までの残り数ヶ月は彼らに寄り添って、嫌なことがあってもグランドにくれば心から安心できる環境を作ります。

何があっても笑顔で。

 

西が丘サッカークラブについては下記を参照ください。

http://www.kids.nishigaoka.com

投稿者 松尾