先日、横浜FCの三浦知良選手が契約を更新しました。50歳の契約は日本だけでなく、イギリスやブラジルなどでも驚きを持ってニュースで取り上げられました。それだけ凄いことなのですね。

ところで先日行った「大人サッカー教室」において、以下の質問をいただきました。

「私はもう30歳を過ぎてますが、この年齢からでもサッカーは上達するのでしょうか?」

これ、よく質問されます。相手の方が何歳であろうとこのような質問には「上達します!」と返答します。冒頭のカズ選手が良い例で、何歳であろうと技術は上達するのです。もちろん、年齢が高くなれば肉体的な強さや足が速くなるのは難しいですが(ストイックにトレーニングすれば向上しますが)、それ以外の要素はいくらでも上達するので、大人からサッカーを始めた方でもきちんとトレーニングをすれば問題はありません。

サッカーを教える人の知識が共有化されてきている現代とは違い、10年前、20年前にサッカーを経験していた方は、基礎的な技術が不足しているのが顕著です。すぐに目に付くだけでも以下の項目があります。

・パスをもらう前のポジションの確保の方法

・パスをもらう前の体の向き

・パスを止める時(トラップした時)に使う足と体の動き方

・ドリブルする際の視野の確保の方法

・ドリブルするコースの選択

・ドリブルフェイントの種類と選択

・ディフェンスのおけるポジション確保の方法

・相手をマールするタイミングとその方法

・シュートブロックのタイミングとその方法

・攻撃から守備、守備から攻撃に移る重要性と戦術理解

と思い付くだけでもこれだけあり、これまではご自身の身体能力に頼ったサッカーをしてきたのでしょう。指導者が居ないまたはサッカーの基礎トレーニングの情報が行き渡っていないところで育った方はこのような基礎が出来ていないように思われます。

「誰にも取られないドリブルを身に付ける!」

「完璧な精度のパスを身に付ける!」

「相手に走り負けしないスタミナを付ける!」

大人の方がこのような目標を立てるのは、それでご自身のモティベーションの向上が図れるのであれば良いのですが、現実はあまり効果がありません。それよりも今持っている技術を活かすことに注力するべきなのです。上記に記載したいくつかの項目を理解して実践できるようになれば各段と上達します。

大人サッカー教室を立ち上げてから1年半が経過しますが、最初から来られている方は驚くほど上達しています。改めてサッカーは年齢ではないのだなと痛感します。

さて少年サッカーにおいてはどうでしょうか?これも指導の情報網が発達していない昔であれば、サッカー経験者の基礎が出来ていないこともしょうがない事でありますが、しかし現在においてそれは許されません。

「サッカーの基礎」というとリフティングを何回だとか、シュートの威力だとか、ドリブルのスピードなど目立つところが強調されますが、それだけだと何十年後に今の大人と同様のレベルになってしまいます。

サッカーの試合でリフティングの回数は関係ありませんし、足が遅ければ遅いなりのプレーが、ドリブルがへたならばへたなりのプレーがあります。その時に自分が身に付けている技術をどうやって発揮するか?それが重要であり、そのために基礎が必要になるのです。基礎の練習は地味で面白味の無いものですが、小学生からしっかりとやらくてはいけないなと大人サッカー教室で改めて感じました。

冬の練習の成果は春に出てきます。じっくりと基礎の練習をするには最適なタイミングですね。

投稿者 松尾