西が丘スポーツクラブ

西が丘スポーツクラブで活動している少年サッカー、ヨガなどの記事および活動スケジュールを記載しています。

プロサッカー選手の移籍から考える育成年代の指導について

time 2016/11/04

プロサッカー選手の移籍から考える育成年代の指導について

前回のブログでは選手の移籍に関して少しだけ記載しました。なおその記事は選手からの視点であり、移籍は選手とチームの思惑が合致した時点で成立します。今回はチームからの視点で移籍について記載してみます。また選手の移籍から育成年代の指導についても考えてみます。

まずそもそもプロサッカー選手になるには、技術的に優れた選手だけがなれるわけではありません。技術は優れてなくても体力がある、身長が高い、足が速いなどの他の人より抜きんでた才能があればプロサッカー選手になれる可能性があります(もちろん他の技術も平均的にあることが前提ですが)。スカウトはチームの特徴を鑑みて、その特徴に合う、活きる選手を獲得します。ボールが扱う技術に優れたガンバ大阪は、やはり技術的に優れた選手を獲得しますし、常に全力を出して運動量で勝負する湘南ベルマーレは、体力があって真面目な選手を獲得します。

このようにユースや高校、大学を卒業した選手は、将来の投資として数年間はチームで鍛えます。しかし「勝利」が何よりも優先されるプロサッカーにおいて、目の前の結果は何よりも重要です。チーム編成は毎年変わり、その都度必要な即戦力の選手を移籍市場から獲得する必要があります。この際も優先されるのは技術的な才能ではなく、チームの補強ポイントを埋める選手が注目されます。チームの補強ポイントは各チームで違うのは当然であり、同じチームでもその時の状況によって異なるのです。例えばガンバ大阪には(一番わかりやすいチームですね)遠藤選手という大黒柱がいます。したがって遠藤選手のようなパスが得意な選手はあまり必要されません。このような選手がいる場合は、遠藤選手からのパスを得点に結びつけるようなストライカータイプの選手やスペースに走りこむのが得意な足が速い選手の需要が高まります。逆に運動量豊富で足が速い選手が多いチームの場合は、それらの選手を活かすパスが得意な選手の需要が高まるのです。

あまり目立たなかった選手が移籍により新たなチームで大活躍することはよくある話し。これは選手の実力がいきなり伸びたということではなく、チームが必要とする要素とその選手の特徴が合致しただけのことです。

また下位に位置するチームで、チームの成績は悪いですが特定の個人が大活躍して、それが上位チームの目に留まりステップアップで移籍するケースも当然あります。本田圭佑、長友佑都選手がわかりやすいですね。最初は海外でもあまり強くないチームに移籍して、そのチームの中心選手になりビッグチームに移籍するというシンデレラストーリーを実現した選手たちです。

選手の移籍は、移籍金や契約内容などによってもっと複雑なのが現状ですが、しかし上記に記載した通りチームの補強ポイントとその選手の特徴が合致することが一番大事な項目になります。そのように考えると、たとえ試合に出場できない選手でも移籍したり監督が変わった場合にいきなり活躍することもあるので、選手の実力というのは本当にわかりません。

そういえば昔、浦和レッズに「野人」と呼ばれた岡野雅行という選手がいました。ドリブルなどの技術はとてもプロ選手とは言えず、ボールが扱う技術はその辺の中学生の方が上手だったのです。しかし岡野選手は誰にも負けない足の速さがあり(本当かどうか分かりませんが犬と勝負して勝ったとか・・・)、しかもその当時のチームにはパスが得意な世界的にも有名な外国人選手がいたので、その選手がパスを出し岡野選手が走って相手を置き去りにして点を獲るパターンが確立されました。また当時の日本代表でも名波選手、中田選手と希代の司令塔がおり、両選手の技術を活かすべく岡野選手が日本代表に選出されたほどです(有名なのは日本が初めてワールドカップ出場を獲得したイラン戦ですね)。

岡野選手の件は極端ですが、プロサッカー選手は何が評価されるのは本当に分かりません。誰よりもボール扱いに優れ抜群のテクニックを誇る選手でも、必要が無ければ契約されることはありませんし、誰が見ても技術が拙い選手でも必要とされる他の特徴があれば契約されることがあります。これを選手の育成に当てはめて考えると、プロサッカーにおいては技術的に優れた選手だけが評価されることではありませんので、育成においても技術の向上だけを求めてはいけません。その個人の能力、長所を伸ばすことが何よりも重要であり、技術が無くても足が速ければその足の速さを活かせる指導に力を入れて、技術的なトレーニングは補完する程度で良いのです。

少年サッカーの現場を見ていると、保護者の方も子供に対して技術的な視点しか見てないように見受けられます。確かにボールを扱う技術は拙いですが、しかしディフェンスが上手だったり、カバーリングなど味方のサポートが上手な子がいます。それらの子がチームでどのような評価を得ているか分かりませんが、大人が子供を見る目をもっと養う事によりプロサッカー選手になれる子は今よりも多くなるように思えます。

とはいえJリーグが出来てまだ20数年。これが40年、50年となったらもっとサッカー文化も熟成され大人たちの子供を見る目も変わり、多様性がある選手がたくさん出てくるでしょう。

sponsored link

サイト管理者

NSC 松尾

NSC 松尾

これまでサッカーに縁が無かった方にもサッカーをわかりやすく解説します。また自身の健康やスポーツ全般について取りあげます。 ご意見ご要望はこちらまで。 nishigaoka.club@gmail.com [詳細]