ドイツの優勝で幕を閉じた南アフリカワールドカップ。前回のブログで記載したように、本当に様々な発見がありました。

まず挙がられるのが、チーム戦術を主体としたチームが勝ちあがったという事です。これらのチームの特徴として、「規律」「リスクマネジメント」「自己責任」が優れているという事でしょうか。もちろん、基本となるボールを扱う技術が伴っている事が前提です。

日本代表に例えるなら、攻撃は本田選手にボールが渡った瞬間から始め、それが右サイドなら松井選手がサポートや追い越す動きをして、左サイドなら大久保選手がその動きをします。これが「規律」の一つです。これは最少人数で攻め、大半の選手を後方に配置したままにする事でカウンターから相手に得点されるリスクを減らす事です。

ただこのような戦い方では相手も対処しやすいので、たまには「規律」をやぶる事が必要です。日本代表の試合でたまに阿部選手や長谷部選手が前線に上がってシュートする場面がありました。本来、彼らは攻めた後の安全策として相手の選手をマークしなければなりません。しかし、ここぞのチャンスの場面ではマークする相手を無視して自らゴール前に入っていきました。彼らの中では今なら大丈夫だろうという判断があったと思います。「規律」を守るだけでは得点出来ない、その中で相手のマークを外すというリスクを冒しながらチャンスを作る「リスクマネジメント」能力が必要です。

また守備において、自分がマークする相手が色々なポジションに移動した場合、それが危険が無い場面では良いですが、その選手がゴール前に入ってくる場面においては他人任せではなく、最後まで(その選手がシュートする場面までも)何十メートルもマークし続けるプレーが多々見られました。これは、自分がマークした相手には「自己責任」のもとに絶対に得点は入れさせないという強い意志が無いと出来ません。

これらのプレーは今大会で初めて見られた事ではなく、サッカーのベーシックな部分ですが、この大会ではとても顕著に見られたプレーであったかと思います。

ワールドカップのような華やかな大会では、メッシやCロナウドのような選手が注目されますが、試合を決めるのはこのような目立たないコツコツとしたプレーなんだなと感じた大会でした。

投稿者 松尾