夏休みの終わった一区切りなのでしょうか、最近はまた新しい会員の方が増えています。本当にありがたい事です。ご入会いただいた方の期待に応えるべく日々の活動に尽力します。しかし近所の少年サッカークラブやサッカースクールの会員数が軒並み減少しているのが顕著に見られるのが気になります。単純に少子化の影響なのでしょうが、各チームでパイを奪い合うことではなく、一緒にサッカー熱を盛り上げるような活動が必要であると最近は特に感じます。

 

人口減少、そして様変わりする社会
そしてここ数年は少年サッカー界に対して強烈な危機感を持っています。2015年に国連が発表した各国の人口推移において、日本は年々減少し2016年現在の約1億2600万人から2100年には約8000万人まで減少します。また2030年には人工が1億2000万人になりそのうち約1/3が65歳以上の高齢者になります。子供の数は今以上に減少します。
ご存知のように2020年に東京オリンピックが開催されます。そこに向けて国内のスポーツ環境や経済は活性化し、少子化といえどサッカーをやる子供は増えるでしょう。しかしその後はとても危険は状況に陥ります。オリンピック後に過熱したスポーツ熱が冷める事と、2025年に財政破綻寸前になると予想される日本の経済の減退を考えると、この10年はスポーツ界で働く人間にとっては激動の時代を過ごす事になるでしょう。
また少子化や経済だけでなく、第四次産業革命も見逃せません。ポケモンGoと共に一般化したARの技術は、今後はゲームだけでなく日常生活にも取り込まれるでしょうし、VRは医療はもちろん通常の仕事にも用いられ働く環境は様変わりするはずです。画像認識の誤差が残り数%となった自動運転車は数年以内に街を走るようになり、ドローンによって買い物すら不要になるかもしれません。またビッグデータで個人の体調管理が完璧に管理された社会は、肥満や栄養不足という言葉自体が無くなる可能性があります。

 

進歩した社会がサッカー界に及ぼす影響
さてこのような社会の進歩はもちろんサッカー業界にも多大な変化を及ぼします。現実的に考えられるのは、選手のDNA、骨格、細胞組織から人工知能が成長予測を行い、日々のトレーニングを管理します。そこにはこれまでのような指導者の勘や経験は不要で、その選手が望む実力を人工知能がそこに至るまでにやるべき事を指示するだけです。
とはいえ全く指導者が必要なくなるという事ではなく、サッカーはチームスポーツであり、各種の大会は行われるはずで、そこにはどうしても人の手が必要になります。また繊細な人間の脳や感情はコンピュータだけはでは管理できず、やはり人間の指導者が必要になるでしょう。しかしそれにはスポーツ心理学や生理学のような深い知識が必要で、その変化に対応できない指導者は仕事が無くなってしまいます。また冒頭の人口減少に対して政府は日本版グリーンカードの導入を検討しています。詳細は省きますがシンガポールを参考により優秀な外国人の移民によって人口減少に歯止めを掛ける政策です。この政策が成功すれば人口が大きく減少する事はありませんが、ハーフの日本人が増え、指導者は様々な国の文化や考え方を持った子供を指導する必要に迫られます。これまでのように怒って言う事を聞かせるなど全く通用せず、論理的に粘り強く指導しなくては必然的に子供は離れていきます。
10年後、指導者はよりプロフェッショナルに、経営者は会費だけの収入源を変化させていかないと消滅する未来しかありません。これはサッカー界だけの話ではなく一般サラリーマンにも同じ事が言えます。時代の変化に対応する力が今こそ求められているのです。

投稿者 松尾