日本のサッカー界に景気が良い話しが続々と出てきました。

J優勝賞金が来季から10億円!

村井チェアマン、東京五輪強化に資金投入

J1の優勝賞金が来季から10億円規模との報道があります。J1の優勝賞金はこれまで、1ステージ優勝で5000万円、年間優勝で1億円でしたから文字通り桁違いのアップです。Jリーグはこれまで国内の企業に売り込むだけでなく、東南アジア諸国に放映権の売り込みなど地道な営業を行ってきた経緯があり、その努力が実を結びイギリスの「Perform Group(パフォーム・グループ)」と10年2100億円という巨額の契約を締結しました。「Perform Group(パフォーム・グループ)」はスポーツのコンテンツ配信とメディアメディア展開の世界的な企業です。

この資金をJリーグの優勝賞金や各チームに分配する事により、それぞれのチームがようやく本格的な投資や所属選手の待遇改善に臨めるわけです。閉塞感があったJリーグが、大きく変わる節目になるでしょう。また東京五輪に向けて日本サッカー協会と協力しJリーグも育成に大きな資金を投入します。この資金は例えば海外への遠征費や優秀な指導者の召喚、トレーニングセンターの充実、国内合宿の実施などに使われるのでしょう。遠征も合宿もとにかくお金が掛かるのでこれは本当に素晴らしい事ですね。

さて日本のサッカー界にはメリットしかないこの契約、「Perform Group(パフォーム・グループ)」はDAZN(ダ・ソーン)という配信サービスを通じてJリーグの試合をスマホやタブレット、(インターネットに接続された)テレビで視聴できます。しかし果たしてJリーグの試合がこれほどの価値があるのでしょうか?なおDAZNが提供するサービスは月額1,750円でJリーグだけでなく各国のサッカーリーグや野球、F1など様々なスポーツを観る事ができます。

DAZNが狙う次のビジネス

DAZNの日本法人のインタビューを読む限り、1年で利益を上げるよりも、当面は顧客を獲得するための投資のようです。今後のサービスについては詳しく言及していませんが、このサービスの強みは自社でコンテンツを作成できる事につきます。これによりコンテンツの所有権がDAZNに帰属し、例えばプレステ用にゲーム映像やJリーグの映像を使用した他社制作のコマーシャルなどで利益が発生します。それだけでなく指導者用にJリーグの映像を使用したテキストや各チームのシーズンハイライトのDVD、ゴール特集、スーパープレー集などのDVDを作れば、それが売れれば売れるほど利益になります。

またスポーツ業界が今一番期待しているのは、AR/VRを活用したバーチャルコンテンツです。この市場はこれから数兆円の市場規模が見込まれており、関連する業界からとても熱い視線が送られています。技術が進化すれば、ゴールキーパーに取り付けた超小型カメラにより、その試合をゴールキーパーの目線や、ドリブルするフォワードの選手の目線で試合を見たりする事ができるでしょう。平面のテレビで観るだけでなく仮想現実として自分がその世界に入っていく事ができるわけです。選手目線はとても魅力的で、サッカーだけでなく、先日のリオ五輪の記憶が新しい卓球の人間の能力を超えたラリー合戦など、ユーザーが楽しむコンテンツは豊富にあります。

技術はオリンピックでブレイクスルーすると言われており、これらの技術が一般的になるのは東京オリンピックが節目になるはずです。それまでの数年間は手頃なサービス料金で多くの顧客を集めるだけ集め、次の技術革新で投資を回収し、一気に業績を伸ばす狙いでしょう。多大な資金の投資と数年間を見据えた回収計画をその企業の本業で行う事のインパクト、そのスケールは驚きしかありません。

 

DAZNが提供するコンテンツ(今後増える予定ありとの事)

■サッカーコンテンツ一覧
・Jリーグ(J1、J2、J3)、チャンピオンシップ、J1昇格プレーオフ(日本) ※2017シーズンより
・ブンデスリーガ1部、2部(ドイツ)
・セリエA、B、コッパ・イタリア、スーペルコッパ・イタリアーナ(イタリア)
・リーグ・アン、リーグ・ドゥ、クープ・ドゥ・ラ・リーグ(フランス)
・スペイン国王杯、スーペルコパ・デ・エスパーニャ2017(スペイン)
・DFBポカール(ドイツ)
・FAコミュニティ・シールド(イングランド)
・FAカップ(イングランド)
・EFLカップ(イングランド)
・イングランド・フットボールリーグ(イングランド)
・プリメイラ・リーガ(ポルトガル)
・エクストラクラサ(ポーランド)
・ジュピラー・プロ・リーグ、ベルギースーパーカップ(ベルギー)
・ロシア・ナショナル・フットボールリーグ(ロシア)
・スコティッシュ・プロフェッショナル・フットボールリーグ、スコティッシュカップ(スコットランド)
・コパ・スダメリカーナ(南アメリカ)
・ディビジョンプロフェッショナル(パラグアイ)
・プリメーラ・ディビシオン(アルゼンチン)
・カンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(ブラジル)
・プリメーラ・ディビシオン(パラグアイ)
・プリメーラ・ディビシオン(エクアドル)
・プリメーラ・ディビシオン(ペルー)
・プリメーラ・ディビシオン(チリ)
・2018FIFAワールドカップ、南米予選、ヨーロッパ予選、北中米カリブ海予選
・国際親善試合
・インターナショナル・チャンピオンズカップ
・テュルキエ・クパス(トルコ)
・Kリーグクラシック(韓国)

■その他の主なコンテンツ
・野球
・バレー
・格闘技
・ラグビー
・テニス
・バドミントン
・卓球
・ビリヤード
・フィッシング
・モータースポーツ
・バスケットボール
・サイクリング
・ゴルフ

投稿者 松尾